外山リョウスケ 写真展
光の軌跡を、未来への矢印として再構築
写真家・外山リョウスケ氏が光の原点に立ち返り発見した技法「Tempusgraph(テンプスグラフ)」。その個展開催にあたり、ビジュアルデザインを担当しました。TWOTONEが着目したのは、写真の歴史を更新し、表現の地平を拡張しようとする外山氏の意志。光の現象を捉えるプロセスそのものを「屈折する矢印」という象徴的なシンボルへと翻訳。この矢印を展示全体の視覚的・体験的なキーとして機能させ、写真表現の転換点となる場を構築しました。

現象から導き出された、意志あるデザイン
キーグラフィックでは、光を捉える方向性に特化した《Tempusgraph》の特性と、写真表現の未来を変える転換点にしたいという外山氏の想いを「屈折する矢印」に集約しました。光の物理的な挙動と、作家の未来への射程。その二つが交差する瞬間をデザインへと落とし込んでいます。




没入を促す、空間の視覚言語
キーグラフィックから抽出した「屈折」のモチーフを、会場全体を貫くサインシステムへと展開しました。一つ一つのサインは、単に場所を示すものではなく、空間を流れる光の挙動を可視化したもの。それが来場者の歩みと重なり合うことで、写真の歴史を遡るインスタレーションの世界観へ、より深く、迷いなく意識を同期させていくための「不可欠な補助線」として機能します。








文化を運び、思考を繋ぐハンドアウト
展示体験を補完するハンドアウトでは、かつて日本から海外へ物を運び込む際、緩衝材として浮世絵などが使用され、それを見たゴッホやモネなど海外の画家に影響を与えたという歴史的背景を引用し、素材には紙肌が粗く、どこか古風な風合いを持つ更紙(さらがみ)を採用、当時の表現や文化が地を越えて伝播していく様を物質的に体現。写真と光の歩みを読み解くための「手元の羅針盤」として、会場を後にした後も思考を導き続ける一助となることを目指しました。



身体で辿る、年表の体験設計
B1→1Fの階段にて、写真技術と光の年表(タイムライン)を制作しました。この展示空間では、地下から地上へと上がる動線を、太古から現代へと写真技術と光の歴史をたどる空間として設計しています。歴史を振り返りながら、「こんなことがあったのか」と静かに反芻できる思考の場を目指しました。展示には、外山さん自身が歴史の出来事についての個人的な見解を手書きで書き添えています。外山さんの解釈が写真技術の年表へと重なることで、まるで彼の頭の中をのぞき込むような空間となりました。





- CLIENT
- 東條會舘写真研究所
- YEAR
- 2025
- CATEGORY
- エキシビション冊子・ブックデザインシステムポスター
- artist
- ryosuke toyama
- director
- Kumiko Tojo
- EXHIBITION CONSTRUCTION
- mikiko fukao
- ART DIRECTOR
- Yasunori Kadokura
- designer (Key visual)
- Yui Kurumazaki
- designer (Signage)
- Kaede Yatabe
- designer (Historical Timeline)
- Shoma Kuninobu
- designer (Exhibition Guide)
- Shiori Maeno
- PLANNER
- Ken Hirose
- PRODUCER
- Ryuta Modeki
- project manager
- Maiko Nishiura