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星野リゾート 施設サイトUX/UIインテグレーションプロジェクト

情報構造から予約体験の最大化支援

「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO」「BEB」など多様なブランドを持つ星野リゾートでは、ブランドごとに情報構造やデザイン、予約導線が異なり、初期の閲覧体験に一貫性がありませんでした。本プロジェクトでは、ブランド横断で共通化すべき構造を整理しつつ、各ブランドの世界観を損なわないUX/UIを再設計。最大5言語対応の多言語機構も組み込み、日本語・海外ユーザーの双方に同じレベルの使いやすさを提供しました。これにより、どの施設サイトでも統一された操作感で情報を得られるようになり、予約導線の改善にも寄与。共通基盤とブランド表現を両立させることで、利用者が安心して旅先を選べる環境を整えました。

構造の見直し

星野リゾートが展開する各サブブランド・施設のウェブサイトは、各サブブランドごとにプロジェクトを進めていたため情報構造やUIパターンが大きく異なっていました。ユーザーはブランドを移動するたびに異なるナビゲーションやラベル体系に触れることになり、行きたい施設が決まっていない初期段階の検討フェーズでは、情報取得の難しさが心理的ハードルとして立ちはだかっていました。本プロジェクトではまず、既存サイト群を網羅的に分析し、“統合すべき構造”と“個別性として残すべき構造”を分類するところからスタートしました。予約に至るまでの導線、滞在イメージをつかむための情報、ブランド理解につながる要素などを一度フラットに俯瞰し、「星野リゾートの施設サイトとして共通であるべき基本構造」を再定義。その上で、各ブランドが本来持つ個性を邪魔しないよう、土台となるレイアウトやコンポーネント群を整備しました。その結果、ブランドが異なっても利用者が違和感なく操作できる一方で、それぞれの施設体験のユニークさが自然と伝わる、シンプルで理解しやすいUXの基盤を構築しました。

顧客にとって本当に必要なものだけを

ウェブサイトに訪れるユーザーは、旅を計画するフェーズ・興味レベル・目的によって必要とする情報が大きく異なります。膨大な素材をただ整理して載せるだけでは、迷いを助長してしまいます。そこで本プロジェクトでは、各施設の情報を「泊まる前に必要か」「現地で参考になるか」「ブランド理解に寄与するか」という視点で分類し、“宿泊前に判断するために本当に必要な情報だけ”を優先的に再配置しました。例えば、客室の種類・料金・空室状況・特徴的な体験・アクセス情報といった要素をより見つけやすくし、その周辺にある細かい情報は構造上のレイヤーを分けて整理。ユーザーが迷わず比較し、安心して予約に進めるよう、視線の流れやクリック数まで丁寧に最適化しました。このアプローチにより、ページの読み込みから予約までの体験が滑らかになり、“情報に溺れる”状態を徹底的に排除。旅の計画に集中できるサイトとして再構築することができました。

サブブランドごとのトーン&マナーの再整理

星野リゾートは、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO」「BEB」など、多彩なブランドごとに異なる世界観を持っています。しかし、世界観の表現がサイト構造と一体化しすぎていたため、結果的にUIの分断を生む一因となっていました。そこで、デザイン表現とUXのレイヤーを意図的に分離し、「ブランド体験に必要な情緒的表現」と「操作性を担保するUI」のバランスを丁寧に見直しました。色彩、タイポグラフィ、モーション、写真の扱い、余白感など、ブランドの“らしさ”を形成する要素を再整理し、共通のコンポーネント上でどう振る舞わせるかを定義。これにより、星のやの静謐さ、界の和の気配、リゾナーレのアクティブな楽しさ、OMOの都市的テンポ、BEBのラフさといった違いを保ちながらも、“どのサイトでも迷わない”ユーザー体験を実現しました。統合されたデザインシステムは、今後の新ブランド・新施設にも柔軟に拡張可能な設計となっており、長期的なブランド資産の強化にも寄与しています。

イラストレーション

施設周辺の魅力や、滞在シーンのイメージを直感的に伝えるため、全宿泊施設にオリジナルのイラストマップを導入しました。旅の行動決定は、地図上のイメージや“その土地に自分がいる感覚”によって大きく変わるため、写真だけでは補いきれない体験価値をイラストレーションで補完しています。各ブランドごとに異なるイラストレーターを起用し、星のやでは静謐で余白の多い筆致、界では日本的な曲線や季節色、リゾナーレではアクティブで伸びやかなタッチ…というように、ブランド特性を鮮明に打ち出す表現を意図的に作り分けました。これらのマップは単なるビジュアル要素ではなく、ユーザーが「この宿を起点に楽しめる1日」を自然に描けるように設計されており、周辺スポットの魅力・距離感・滞在のリズムなどが視覚的に理解できるよう工夫されています。旅の計画フェーズにおけるワクワク感を高める重要な装置として機能しています。

ピクトグラム

星野リゾート全体で統一的に使用できるピクトグラム体系を新たに開発しました。温泉、レストラン、ペット可、ファミリー向け、アクティビティなど、宿泊検討時に重視される要素を、言語を問わず瞬時に理解できる“共通語彙”としてデザインしています。共通デザインシステムの一部として、アイコンの“線の太さ”“角の処理”“視認性”“意味の一貫性”を細かくルール化。どのブランド上でも違和感なく配置できるよう、情報量を最小限に抑えつつも、意味を確実に伝える普遍的な形を追求しました。また、多言語対応を考慮しアイコンが単なる飾りではなく、ユーザーの判断を助け、旅の計画を加速させる“機能的なUIパーツ”として成立するよう丁寧に設計しています。結果として、どの施設サイトにおいても、必要な情報がひと目で認識できる快適なナビゲーションが実現されました。

INFORMATION
CLIENT
HOSHINO RESORTS
YEAR
2019
CATEGORY
ウェブサイトデザインシステム
CREDIT
CREATIVE DIRECTOR, UX DIRECTOR, ART DIRECTOR, DESIGNER
Yohei Iwaki
ART DIRECTOR, DESIGNER
Yasunori Kadokura
ART DIRECTOR, DESIGNER
TOMOKAZU KITAMURA
UI DESIGNER ASSISTANT, ILLUSTRATOR, ILLUSTRATOR SUPPORT
Noe Oyamada
PICTOGRAM DESIGNER
SAEKA SHODA
ILLUSTRATOR
TADASHI URA
ILLUSTRATOR
CHIAKI MORI
ILLUSTRATOR
MAI KAWAI
ILLUSTRATOR
YU YOKOYAMA
ILLUSTRATOR SUPPORT
Tae Chiba
VIDEO EDITOR
Ken Hirose